「CRバジリスク~甲賀忍法帖~弦之介の章」がホール導入を目前に控えた2月某日。
私、販促担当Xは焦っていた。何故なら開発者インタビューを行う予定が、
開発リーダーに「忙しいのでまた今度」と何度も肩すかしを喰らっていたから。
しかし、今日は締切直前。もはや待ったなし。
お昼ご飯を食べている本機開発リーダーを直撃し、
お昼休み返上でインタビューを敢行することにした。
- お昼休み中、失礼します。開発者インタビュー、お願いします!
- うわっ! 急に来た。今、インタビューやるの???
- もう、時間がないので今日こそは!
- わかったわかった。じゃあ、早速始めましょうか。
- あまり構えず、リラックスしてやりましょうか。
- そうですね(笑)。
- では気を取り直しまして早速質問です。
- 何でもどうぞ!
- バジリスクというスロットで大人気のコンテンツを、
ぱちんこにすることでのプレッシャーはありましたか? - もちろんありましたよ。特に、気にしたのはぱちんこユーザーの認知度の部分ですね。
- と、いいますと?
- 個人的な感覚だけど、バジリスクの知名度はスロットユーザーにはとても高いものの、
ぱちんこユーザーにはまだまだ浸透しきっていないな、と。
なので、甲賀伊賀の20人全員をいきなり縦横無尽に登場させてキャラを覚えさせるんじゃなくて、
敢えて弦之介(主人公)と天膳(絶対的な敵)を立たせる作りにしてみたわけです。 - 弦之介と天膳にスポットライトを当てることで、分かりやすい背景を見せたかったと。
- そのとおり!まずはこの2人に愛着を持っていただいて、そこから徐々に浸透していけばいいな、
という狙いがありました。ちなみに朧はその二人を見守る立ち位置にしたかったんです。 - なるほど。
- それから、大きな目標としてスロットユーザーにも打って欲しいという思いがあったので、
演出面では「絆」を意識したものを多く取り入れました。スロットの絆は良く打つけど、
ぱちんこは初めてという方にも「この演出知ってる!」と安心していただける内容に
したかったんです。 - そうなると、調整も大変だったのでは?
- もちろん、ぱちんことスロットで演出頻度が異なるため期待度に差がある演出もあります。
ですから完全な移植というわけではないですが、世界観を崩すような調整にはしていませんので
ご安心ください。 - 逆にぱちんこオリジナルの演出や要素はありますか?
-
もちろんたくさんありますよ。
その中でも、今回特に拘ったのは通常時の伊賀襲来と伊賀強襲ZONEですね。
ユーザーの方が「伊賀が襲ってくればチャンス」と、感覚的に分かる仕組みを作りたかったんです。 - 確かに伊賀襲来に突入するとドキドキします。
- 平穏な通常時に伊賀衆が訪れ、事態が変わる。そしてそれが強襲になれば…と、
いう段階的なストーリー性に楽しさを感じてもらえたら嬉しいですね。 - 演出面のお話をもう少し聞いてもいいですか。
- どうぞどうぞ。何か気になるところがありますか?
- 個人的に、全体的な構成がとても分かりやすいと感じたのですが、狙ったものですか。
-
仰るとおりで、開発コンセプトの1つに「分かりやすさ」がありました。例えば役物も、「相思」「相殺」単体よりも「相思相殺」、そして何よりも「瞳術役物」が出てくれば最強! という、見た目で分かりやすい作りを目指しました。とはいえ、単調にならないよう、発展のタイミングを複数持たせているのも拘りです。
- 「相思」単体!? と思った瞬間、ワンテンポおいて「相殺」が出て「相思相殺」!
というパターンとかですね。たしかに力が入るポイントが複数回あるので、打ち込むほどに
楽しさが増しますね。 - そうですね。ちなみに演出にはこの他にも色々な拘りを入れています。
- 気になります。どの辺でしょうか?
- まずは擬似連なんですが、擬似3連の出現頻度を若干高くし、通常時の流れに飽きがこないように
工夫しました。でも勘違いしないで欲しいんですが「煽りが増えていくのに期待度が下がる」
というユーザーが冷めるようなことは絶対にしていません。
「期待できるものが重なれば、それに応じた期待度になる」というユニバらしさの部分は
しっかりと残していますので。 - 安心しました(笑)。その他にもありますか?
- ありますよ。じゃあちょっと逆に質問させてください。
ぱちんこを打っていてスーパーリーチに発展して、最後に弱カットインが出てきたときって
どんな気持ちになりますか? - え?やっぱり「うわ、これハズれるわ」って気分になりますね。
- ですよね(笑)。
なので、今回はその流れに逆行してみる仕掛けを弱スーパーリーチに入れてみたんです。 - と、いいますと?
- 弱スーパーリーチとは、「相思ストーリーリーチ」と「相殺バトルリーチ」のことで、これらは
正直期待度はそこまで高くありません。基本的には相思相殺へ発展して当るための前座的な
存在として用意しました。ですが、その弱スーパー中の最終段階でカットインが発生すると、
期待度が跳ね上がるというネタを仕込みました。 - へー!
- いわゆるスーパーリーチ後半で弱カットインが出てガッカリ、というありがちなマイナス要素を
排除し、カットイン=「アツい!嬉しい!」という感覚。つまり逆行させてみたんです。
あと、意外に思われるかもしれませんが、元々の期待度が高い相思相殺リーチや最終決戦リーチでは
一切カットインが出ないんですよ。 - 知らなかった情報がどんどん出てきますね。もっと教えてもらっていいですか。
- ぐいぐいきますね(笑)。じゃあ最後に最終決戦リーチの秘密をお教えしましょう。
- お願いします!
- このリーチはもちろん本機最強のリーチなんですが、実はチャンスアップを極力排除しています。
唯一のチャンスアップの発生箇所は導入部分のタイトル色変化の一箇所のみです。せっかく
最強リーチが出たのに「チャンスアップが無いから当らないんじゃないか」と不安になったり、
ガッカリさせたくなかったんです。 - 最終決戦リーチはしっかりと行く末を見守ってほしいということですね。
- そのとおりです。
- 続きましてスペック面についてですが、何故このスペックにしたんですか?
-
ST突入率50~60%という機種との差別化を図りたかったので、見た目的にもインパクトのある「ST突入率80% × ST継続率約80%」という数値を選んでみました。
それからST突入率を100%にしなかった理由は、通常かSTかドキドキできる部分(天命の刻)を作りたかったから。ここで展開される弦之介と 天膳のバトルの緊張感、そして大当りしてからも「破幻ボーナス」によるシナリオ展開にワクワクという流れを大切に作りたかったので。 - だいぶ濃い内容になってきました。
- もう、いいかな? お昼休み終わっちゃう。
- じゃ、じゃあ最後に1つだけ。朧ランプを搭載した理由を教えてください。
-
最後に鋭い質問がきた(笑)。実はあれ、映像で何かを見せるのではなく、声だけで大当り告知や復活を見せユーザーをビックリさせたいというイタズラ心から搭載したんです。
- ほぇ~、そうだったんですね。
- 液晶を変化させるのではなく、声とランプで嬉しい瞬間をお知らせしてみたかったというね。
ちなみに点灯のタイミングは、ここでは内緒にしておきますね。
是非ホールで体験していただきたいので。 - 長々とありがとうございました。どうぞお昼を食べてください。
- もう、昼休み終わってますが…。
- お、おつかれさまでした~!
というわけで、駆け足ながら中々深い話を聞くことができた開発者インタビュー、
如何だったでしょうか。
弱スーパーのカットインの話などは、覚えておけばきっとホールで打つ時の楽しさが倍増すると
思います。それから、朧ランプの点灯も見逃せない要素の1つですね。
それではそろそろお時間です。好評でしたら他の機種でも行うかもしれませんので、お楽しみに!